カンガンスウォレ
歌をそなえた群舞の一種。村の婦女子たちが群れを作って直線、もしくは円く輪を成して鬼ごっこのように回りながら踊る。 歌を添え、円舞型のフォームをもち、農楽器を用いない、女性だけで構成される、夜主に行われる、といった特徴を持つ。 壬辰の乱の際,李瞬臣将軍が珍島マングム山にて土城を築き漁村の婦女子達に男装させ、山の峰で手をつないで円く輪を成して回りながら大きな声でカンガンスウォレを歌わせた、という義兵戦術に由来するわが国固有の民俗芸能である。

南道ドゥルノレ
珍島ドゥルノレは,1971年、第12回の全国民俗芸術競演大会で国務総理賞を受賞し、その後全国的に知られるよういなった。優れたリズムと音楽的内容を持ち、「南道ドゥルノレ」という名称で国指定重要無形文化財に指定された。 南道のドゥルノレは田植え、草取りなど主に田の仕事をする時歌う農謡で、特に智山面 仁智里を中心に盛んに行われている。多様なリズムパターンとメリスマチックな旋律、また語尾を長くのばして歌う、といった特徴を持つ。
シッキムグッ
シッキムグッはとは、死者がこの世で抱いた恨みを晴らして極楽往生を願う巫女の儀式をいう。1980年11月17日、国指定重要無形文化財に指定された珍島シッキムグッは、原始宗教シャーマニズムにもつながる、死に対する人間の姿勢を芸術の世界へ昇華させた表現様式であると言える。

タシレギ
「タシラグ」とも呼ばれるタシレギは「再び産む」、「再び生成する」、「大勢の人が集まって楽しくすごす」、といった意味を持つ。 珍島のタシレギは、出棺前日の夜、喪中の家で喪主とその家族を慰めるため行う民俗芸能であり、四物(サムルノリに用いられる四つの楽器、 ジン、ブック、クェンガリ、チャングのこと)の伴奏に支えられた歌と踊り、笑い話が合わせて構成される歌舞劇的な要素を持つ。
全羅南道指定無形文化財
珍島ブンノリ
珍島ブンノリは、三弦六角及びシナウィのリズム、四物で合わせられるアンバランスな音楽的構成を持つ。即興的な踊りと太鼓のリズムが多様な変化を起こしながら無限に展開する独特の太鼓遊びである。 特に珍島の太鼓遊びは、両手にバチを持ちチャングのように叩くため細かいリズムが多く、休止と連打の動作が素早く行われ多様なリズムパターンが形成される。
輓歌
輓歌は、人が死んだ時喪輿を担いで運びながら歌う民謡、いわゆる「喪輿ソリ」ではあるが、喪輿を運ぶ姿と歌、また喪主たちの喪服に特異性が見られる。
四物と笛が伴奏楽器として登場し歌をうしろだてたりする。また仮面をかぶったバンチャンセ二人が子馬に乗って剣舞を踊りながら悪霊を追い払ったり、たいまつが急に現れるなど独特な内容から構成される。珍島の輓歌は、全国でもっとも洗練された音楽美を持つ輓歌として知られている。
雑歌
雑歌は、上流社会の正統的な歌謡と知られる歌曲、詩調などに対して、洗練されていないやや粗末な下層文化圏の歌、あるいは俗歌の意味を持つ。元々雑歌は、朝鮮末期に成立し栄えたが1830年を前後に流行歌や西洋風の歌に追いやられ衰退した歌の文学である。従って雑歌は、朝鮮王朝の最後を飾るジャンルとしてその文学史的な価値を持ち、現在と過去を繋ぐ過渡期的ジャンルとされたりもする。南道の雑歌にはポリョム、ファッチョサゴリ、ユッチャべギ、チャジンユッチャべギ、フンタリョン、蛙タリョン、鳥タリョン、ソンジュプリなどがある。